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結婚しようよ

佐々部清監督『結婚しようよ』。
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◆昨日夜、日曜日の天気は終日雨との予報。新聞の映画欄を覗くと、吉田拓郎の古い曲をモチーフにした新作映画らしい。「明日は久しぶりに映画に行こうかなぁ」とつぶやく。もちろん一人で行くつもり。
◆今朝8時、「遅れるわよ」と妻に叩きおこされる。上映時間も調べていないし、読むべき本も堆積しているし、どうでもいいんだ。グズグズと洗面していると、妻も外出するつもりらしい。
◆行き先を尋ねると、一緒に映画に行くという。拓郎なんか興味ないだろう。出演者もあまりパッとしない俳優ばかりだぞ。妻は、「一人では1800円だが、二人なら(ふたり分で)2000円になるからだ」と。
◆冷たい雨のなか、映画館に到着。観客は予想通り中年ばかり。夫婦(とおぼしき)組み合わせが多い。我が家と同じく値引きを狙ってのことか。チラホラと若い人もいる。意外にも座席は半分くらい埋まっていた。
◆ストーリーはとくに語ることもない。悪人・嫌われ者が一人も出てこない完全なホームドラマで、話の展開もすべて「予定調和的」である。三宅裕司が出ているくらいだから多少の笑いもある。妻は「こんな退屈なストーリーは、今時テレビでも見ることはない」と言う。だからついてくるなと言っただろう。
◆最後は(誰もが予想する)ところへ落ち着く。途中、20曲以上の拓郎の曲が流れる。あまりに聞き慣れているためか、それがストーリーにフィットしているのかどうか判断できなかった。
◆もしかしたら、「曲が先にありき」なのかもしれない。パンフレットの監督談話を読むと、「いつか拓郎の曲で映画を撮りたかった」とある。自宅で酒を飲むところで「旅の宿」とか、ちょっと無理もあったな。
◆映画における拓郎の曲としては、1972年・『旅の重さ』を思い出す。高橋洋子演じる少女の苦悩と、その場面で流れる拓郎の曲がマッチしていた。「今日までそして明日から」は、この映画のために作ったのではないかと思ったくらいだ。[脱線終わり]
◆長女役の藤澤恵麻がいい。私は見たことのない女優だったが、「こんな娘がいたらいいな」と思わせる風貌・立ち居振る舞いであった。重厚な演技力を要する役ではなかったため、演技力については判定保留。
◆次女、中ノ森BANDのボーカルのAYAKO。髪型や服装によってかわいく見えたり、不細工に見えたり、どこにでもいそうなな感じが良い。演技に屈託がない。しかも拓郎の曲を違和感なく歌っていた。
◆三宅裕司は、若かりしころ音楽を目指していた、という設定だが、それにしては歌・演奏が素人っぽすぎる。もうちょっと練習して欲しかったなぁ。70年代の回想シーンは見るだけで気恥ずかしかった。
◆真野響子は主張しない適役。松方弘樹はヤクザ役の印象が強すぎるためか、善人役に向かない。ストーリー上の無理や、たくさんの「不整合」がある。しかし、上映時間2時間は退屈しない。

◆結論。
「Rolling 30 までの拓郎ファンであった中年」、
(Shangri-La あたりから、ちょっと流れが変わったと思うから)
「藤澤恵麻・AYAKO のファン」
に限定的にお勧めの映画である。
◆福岡でも上映は1館のみ、おそらく早期切り上げ。いずれ DVD化、BS放送されるだろうが、地上波での放映は期待できないと思うよ。

by ascesis | 2008-02-03 22:12 | ★ 分類不能
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